研修医をお考えの先生へ
研修修了者 藤井 祐介先生
私は開業動物病院に4年弱勤務した後、二次診療を学ぶために二年間研修医として勤務しました。 この度研修医プログラムを終え、私の経験がYUAMECでの研修を考えられてる先生のご参考になればと思いペンをとらせていただきました。
将来開業するか代診をつづけるか迷っていたのですが、どちらにせよYUAMECで勉強することは臨床を続けるうえでアドバンテージになると思い研修医を選びました。いくつか私なりのYUAMECで研修を行うメリットをあげてみたいと思います。
(1)教員と一緒に診療を行う
なんとなく、ではない根拠に基づいた治療、最新の知見に基づく治療を教員の先生方と一緒に実践させていただくことで自分自身の診断・治療のスキルアップにつながります。
(2)学生と一緒に診療を行う
他の民間の二次診療施設と大きく違う点は学生と一緒に診療をするという点でしょうか。純粋で好奇心・向学心にあふれる学生と一緒に診療や入院の世話をするのは研修医にとっても大変勉強になりまし、若いエネルギーをもらえます。学生の質問や疑問に答えるために勉強することが自分自身の再確認にもなります。
(3)様々な検査を実際に行うことができる
MRI・CTの読影もできるようになりますし、もちろん撮影も行います。エコーや内視鏡、関節穿刺はもちろん、骨髄穿刺や膀胱鏡なども行います。当然ですがちゃんとベテランの先生が隣にいて段階をふんで実践していくので、やったことがない方でもやる気さえあれば大丈夫です。
(4)珍しい症例・難しい症例がたくさんくる
1次診療施設ではなかなか接することのない珍しい症例でも、ここでは日常茶飯事にやってきます。経験というのは臨床獣医師にとって、とても重要だと思います。その症例を経験したことがあるかないかで、診断・治療までの道のりが短縮されるケースもあると思います。
(5)学会発表の指導をしていただける
私は学生のときから学会発表が苦手だったので、当初は面倒だなぁと思っていたのですが、徐々に考えが変わっていきました。たくさんの教員の先生方に指導していただきながら学会発表なんて今後もうないだろう、開業して自分で学会発表する際に恥ずかしい思いをしないように今のうちにがんばろう、と思えるようになりました。これは自分でも驚く心境の変化でした。
色々とメリットばかり書いてきましたが、研修医は確かに大変ではあります。しかし周りには助けてくれる方が大勢います。症例の悩みでもプライベートな悩みでも気軽に相談に乗っていただけました。
大学病院はチーム医療です。教員の先生方がいて、研修医がいて学生・VTさんがいる。それぞれが支えあいながら一丸となって動物を治療していく。YUAMECのチームの一員として2年間勤務できたことは私にとって一生の誇りです。
研修医プログラムを終えて
研修修了者 田村 欣也先生
私は開業動物病院で4年間勤務した後、2014年の3月まで山口大学動物医療センターで2年間研修医として勤務しました。
開業動物病院ではセミナーや実習に積極的に参加させていただいたので知識を深めることはできたのですが、実際にさまざまな症例での経験を積みたいと思い全科研修医を志望するようになりました。専科研修医のある施設より全科研修医制度しかない施設の方が様々な症例に直接関われるのではないかと思い、しっかりとした研修医プログラムが組まれている山口大学動物医療センターを選びました。
山口大学動物医療センターで勤務して、最初に驚いたのが学生のレベルの高さです。学生の臨床教育に力を入れており、教員の先生とディスカッションしながら日常の診療が行われていました。研修医の業務内容は診療・検査・手術・入院のケアですが、全て担当教員と研修医、VT、学生がチームで行っています。従って日々様々な症例についてディスカッションし、必要な検査、より良い治療を検討することで力をつけることができたと思います。
また、山口大学動物医療センターにはCT・MRI・オルソボルテージといった高度医療機器がありそれらの操作、読影を研修医も行うことが出来るため、より専門的な知識を深めることが出来ました。
しかし、私が2年間の研修医生活でいつも感銘をうけていたのは、ここで働く先生方や学生、VTさんの獣医療への熱意です。山口大学動物医療センターでは多くの経験と知識を得られましたが、それ以上に改めて大切なことに気づかせていただいたと思っています。山口大学動物医療センターの先生方や学生、VTさんと過ごした2年間は貴重な財産です。
私は山口大学動物医療センターの研修医プログラムを通して得られた多くのことを糧に、より良い獣医療を提供できる獣医師を目指していきたいと思います。
私にとっての山口大学動物医療センター
研修修了者 土橋英理 先生
はじめまして。山口大学動物医療センターで2012年12月まで研修医として勤務していました土橋英理と申します。私は北里大学放射線学研究室を卒業した後、4年弱東京の開業動物病院でお世話になった後、この山口大学の研修医プログラムに参加させてもらいました。
大学卒業後すぐの研修も少し考えていたのですが、なかなか実行にうつすことができず、今回やっと念願の大学研修を果たしました。もともと研修をしてみたかったというのも勿論ありますが、その気持ちの最後のひと押しをしてくれたのは都内の開業動物病院で働くという環境の中でやはり大学病院が大変身近な存在であり、飼い主様も高診を希望されることが非常に多かったということでした。正確な診断に悩み、紹介させてもらった患者さんにもしっかりとした診断をつけて丁寧なケアをして返して頂くことが常であり、大変詳しい説明も頂くのですが、検査の細かい所までは未熟な私には理解することが難しく『百聞は一見にしかず!!』ということで4年越しの願いを叶えました。
都内より山口大学を選んだ理由、それは研修医プログラムがしっかり組まれていたこと、そして実家から近かったというのが正直なところでした。こんな私に務まるのだろうか・・・ととても不安でしたが、実際に山口大学へ行ってみての毎日は想像をはるかに超えるものでした。
研修医としての仕事は日々の診療・検査・手術・入院のケアなどが主なものですが、すべてにおいて先生・研修医・学生・看護師の1チームで1症例に責任をもってあたっていきます。研修医・学生・看護師で症例についていろんな意見を出しあった上で先生の指示を仰ぐ、その先生が私の想像していた先生方とは違ってすごく身近にいてくださったのが1番嬉しかったことでした。チームで考えた治療提案に対して先生が賛同してくださったり、よりよい治療方法を指導してくださったり、疑問に思ったことは先生方に構えすぎず質問できる環境にあり、よく理解・検討した上で治療を進めていくことができました。
学生さん達も自分達で勉強し責任もって治していこうという強い信念をもった方ばかり、看護師さん達も深い思いやりに溢れた方ばかり、チームみんなで良い時も悪い時もそれが24時間になろうと先生も一緒に力を合わせてぶつかっていく、その志がいつも大変勉強になり、私にとってとても貴重な経験となりました。
また、検査では日頃開業動物病院ではなかなか携わることの難しいMRIやCT、重症例に対する麻酔なども段階を踏みながら先生の大変ありがたい講義を受けさせてもらった上で実践へとレベルアップしていくことができました。内視鏡やPEGの設置、骨髄穿刺など様々な手技についても先生方がマンツーマンで手とり足とり教えてくださり、本当に感謝しております。1度や2度ではマスターしにくい手技であっても、まずは見て覚えるところから、次は少し補助させてもらって、さらには自分でと少しずつ確実に習得していくことができ、大学病院ならではの症例数で何度も繰り返し勉強してステップアップすることができました。
山口大学動物医療センターでの研修医生活は私にとって素晴らしい勉強の場であったと共に沢山の先生方、学生さん、看護師さんと出会い過ごした時間がかけがえのない財産となりました。本当はまだ在籍して皆様と一緒に日々の診療にあたっていきたかったというのが本心です。今回は寿卒業ということで山口大学を泣く泣く離れることとなりましたが、私にとって山口大学はとても大切な宝物です。この経験を皆様に恥ずかしくない様、これから出会うたくさんの動物たちのために精一杯生かしていきたいと思います。
研修医として働く中で得たもの
研修修了者 和田甲臣 先生
私は開業動物病院に3年間勤務した後、二次診療を学ぶために研修医として勤務しました。 この度研修医プログラムを終え、その感想を書かせていただきます。
山口大学動物医療センターは特に実践・教育に関して非常に優れた施設です。高度医療機器(CT、MRI等)の操作や医療手技などを積極的に研修医が行うため、早期に技術を向上させる事が出来ました。色々実践させてもらえる一方で、研修医の責任の所在も明確になっており、重要な場面では教員の先生からのサポートが必ずあるため、自ら積極的に動き易い環境だったと言えます。さらに全ての先生方が非常に教育的で、カンファレンスではもちろんのこと、普段からいつでもディスカッションに応じてもらえました。このように、研修するための環境が整っているため病院全体の診療に対し高いモチベーションを持って臨む事ができ、ハードな研修医生活も楽しみながら過ごせました。
大学病院というと特殊な症例ばかりを扱っているイメージがあると思います。確かに教科書でしか見たことの無いような疾病が毎日の様に集まってきますが、一般症例(common disease)にも触れる機会はあり、多彩な症例を数多く経験する事が可能です。一般症例であっても典型的な臨床症状を全く示さないパターンもあり、プライマリな疾患を一つ一つルールアウトしながら適確に鑑別診断をする訓練が出来ました。
大学病院は研究機関でもあるため、日々の診療の中で研究に関わる事があります。毎年夏頃には学会発表の機会があり、本人のやる気次第では専門誌への投稿の機会も得られます。診療と学会発表の準備とで多忙な日々が続きましたが、先生方から資料作成や発表のノウハウなど懇切丁寧なご指導をいただき、大学ならではの貴重な経験となりました。 研修医生活は学生との交流も深いものでした。山口大学の学生達は皆、向学心に燃え、バイタリティに溢れています。様々な疑問に対し、ともに考察し指導する事で、互いの理解・知識を深める事ができました。一緒に夜遅くまでエコーの練習をしたり、診療を通じて学生と過ごした時間は私にとって大切な思い出です。
山口大学動物医療センターは、経験豊富な先生方からの熱心な指導と充実した医療機器に恵まれており、どこまでも成長させてもらえる施設であると言えます。研修医プログラムを通じ得られた先生方とのつながりや診療経験は私にとって大きな財産となりました。私はこの経験を生かし、より多くの動物に最良の獣医療を提供できる獣医師を目指します。
研修医プログラムを終えて
研修修了者 さいとう動物病院 斉藤武彦 先生
皆様初めまして。獣医師の齋藤と申します。 2010年12月末まで山口大学動物医療センターの研修医をしており、2011年3月にさいとう動物病院を開業しました。
私は山口大学の外科学研究室出身で、卒業後大阪で4年半ほど代診をしておりました。もともと私は開業志望で一次診療を勉強するため勤務していたのですが、症例を二次診療施設に紹介することが時々あり、その病院を退職する1年ほど前から開業する前に二次診療施設に身を置いて勉強したいという思いが募っていくようになりました。二次診療施設の候補としては、まっさきに山口大学が頭に浮かびました。その理由は、山口大学は国立大学で最初にMRIを導入した大学であり、MRIやX線CTなどの高度医療設備を備えており、腫瘍性疾患、神経疾患、血液疾患などに造詣が深いこと、そして素晴らしい先輩方がおられたことが挙げられます。
山口大学動物医療センターの研修医として働くことの醍醐味は、①それぞれの症例に対して適切な診断法や治療法を指導教員と相談し、飼い主様の納得のもとで決定し行う、といった、診療に対する環境が整った中で勉強することができるという事、②また診療の際に使用する医療設備はMRI、X線CT、Cアームなどの高度医療設備であり、それらを研修医が実際に使用することができることだと思います。しかし、私が最も驚かされたのは、教員、研修医、学生、看護士間の意思の疎通が円滑であり、病院のスタッフが1つのチームとしてうまく機能している事でした。私自身、同じ目標に向かって進む仲間たちと共に1年間仕事ができたことは、何にも代えることができない素晴らしい経験であったと思います。
私は、山口大学動物医療センターの研修医として働く中で得た以上の有形無形の教えを胸に、これからも獣医療に精進して参ります。