研究内容
赤壁 善彦(あかかべ よしひこ)
経歴
1995年4月 山口大学農学部 助手
2005年4月 山口大学農学部 助教授
2007年4月 山口大学農学部 准教授
2012年4月 山口大学農学部 教授
2012年4月 山口大学農学部生物機能科学科長
2016年4月 地域未来創生センタ− 主事
2017年4月 山口大学大学院創成科学研究科 教授
2019年4月 山口大学農学部生物機能科学科長
大学院創成科学研究科農学系専攻長
2020年10月 生涯学習チームリーダー
2021年4月 副学長補佐
地域未来創生センター 副センター長
現在に至る
専門:有機化学,天然物化学,香料化学, 合成有機化学, 生物有機化学。
研究テーマと方針
私は、あらゆる香りに注目して、自然や生活環境中に放出される香り(植物、動物、昆虫、微生物、ヒト)、農林畜水産物(野菜、果物、花、肉、魚介)およびその加工食品の香りを分析し、その発生メカニズムや本来持つ生理的役割(フェロモン、アレロケミカル)を究明しています。また、香りの持つ秘めた機能性(抗酸化、抗菌、疲労回復)を発見し、応用(機能性食品、フレーバー、フレグランス、消臭)へ役立てています。
生物は、同種間,他種間において揮発性の有機化合物(フェロモン,アレロケミカル)を化学信号伝達(ケミカルコミュニケーション)物質として利用し、複雑な生態環境の中で生活を営む例が知られています。また、揮発性の有機化合物には特徴的な香気(ニオイ)を有するものも多く、ヒトに対して機能性物質として働く場合があります。研究手法として、まず、生物活性を有する揮発性有機化合物の探索からスタートし、これら化合物の構造を分析機器により同定を行います。次に、このような化合物が生体内で生合成される様式を解明するために、生合成中間体ならびにそれに関与する酵素反応を精査します。さらに、このような化合物を有機化学的に合成し、応用へと展開する際、酵素反応と有機化学合成の反応性,選択性を比較検討することにより、生体模擬反応の開発を試み、高選択的合成法の確立を目指します。最終的には、このような揮発性生物活性物質を農業や食品、医薬など、我々の日常生活に役立てたいと考えています。
現在、海藻, キノコ, 野菜, 柑橘, 魚, 貝, 肉類などを材料として、生理活性成分・機能性成分の探索と風味に注目した新食材・新商品開発へ、基礎から応用を目指して研究を行なっています。
以上の研究を、地球環境保全を考える立場から化学の重要性を示しながら、環境になるべく負担をかけない、次世代へと継承可能なグリーンケミストーリーの実践を心がけて行っています。
SDGsの取り組みとして、
2 飢餓をゼロに、3 すべての人に健康と福祉を、11 住み続けられるまちづくりを、12 つくる責任つかう責任、14 海の豊かさを守ろう、15 陸の豊かさも守ろう、を目指して取り組んでいます。
最近の研究テーマ
- 1) 海洋フェロモンおよびアレロケミカルの探索および合成[ 資料 ※1 ]
- 2) 香気成分(柑橘, 花, 草木)の分析と評価[ 資料 ※2 ]
- 3) 香気成分の生合成機構の解明[ 資料 ※3 ]
- 4) ニオイのヒトに対するリラックス度の検証[ 資料 ※4 ]
- 5) 天然生物活性物質の単離・構造決定および合成[ 資料 ※5 ]
- 6) 機能性食品や化粧品の開発[ 資料 ※6 ]
- 7) 食品(野菜, 肉, 魚)および加工食品の風味分析と評価
- 8) 飲料(お酒)の風味分析と評価
- 9) 新規香料素材(フレグランス・フレーバー)の合成と開発
- 10) アロマツールの開発
- 11) 新食材・加工食品の開発
- 12) 害虫・野生動物の誘引・忌避剤の開発